トップページへ

会長からのメッセージ(19)
閑谷しずたに学校のかい
 依頼出張の機会を利用して、かねてからの念願の地である岡山県旧閑谷学校を訪ねることが出来ました。閑谷学校は国宝建造物でしかも藩政時代には珍しく平民も入学できる学校として有名ですが、私のもう一つの念願は境内にある楷樹(カイノキ)にありました。
 用事先の相生駅から山陽本線で30分の吉永駅下車しました。本線とは言え新幹線時代の今日は、時刻表を調べておかないと1時間も待つことになります。駅前からタクシーで15分で到着。平日午前のことでひっそりしていました。閑谷の名の通り閑静な山ふところに抱かれた、重量感溢れる建造物群は学校というより社寺の雰囲気です。
 山門のようなどっしりした校門をくぐると、左に国宝講堂の大屋根、中から読経のような斉唱が聞こえます。これは岡山県下の学生の論語講読の声でした。校門入って正面石段を囲むように大木二本、これこそ念願のカイノキです。石段あがった小高い台地には孔子廟、これに並んで閑谷神社。ほとんどの建造物は茶褐色の備前瓦でこれに白壁が映え、さらに緑萌える裏山に五月晴れの空。これに加えて論語講読の斉唱です。久し振りの至福に充たされ、暫くはただ立ちつくすばかりでした。
 折角遙々訪ねてきた念願の閑谷学校とカイノキですから、残された時間を気のしながらカイノキを中心に写真を撮りまくりました。カイノキは元林業試験場長の白沢保美氏が大正4年に中国山東省曲阜の孔子廟で採取した種子を育苗し、湯島聖堂や閑谷学校に植えたものというのが定説になっています。ここで見る限り、なるほど80年ぐらいたっていると思われる大木です。秋の紅葉の素晴らしさは何回か耳にしていました。山陽新聞社発行の「閑谷学校」の写真を拝借し掲載します。11月上旬が見頃だそうです。その頃再度訪ねたいものです。


2005年6月 小林 富士雄



国宝講堂


論語講読を終え
講堂から退出する学生



校門


孔子廟塀の備前瓦と白壁


若葉のカイノキ(5月13日)


紅葉期のカイノキ、紅と黄の二系統がある
(山陽新聞社発行「閑谷学校」より)

孔子廟から講堂を望む


カイノキ(雌花の落花あと)



会長からのメッセージ  バックナンバー 
(1)会員あっての山林会
(2)木材輸入は水輸入
(3)これからの経営問題への取り組み
(4)現地研修を顧みて
(5)大日本山林会第21回総会記念写真集
(6)木の神社
(7)岸本定吉先生を偲ぶ
(8)アメリカの森林問題と政治家と
(9)全国植樹祭と宮崎のスギ
(10)山林会平成16年度通常総会終わる
(11)ゆく半年、くる半年―山林会創立記念事業に思いを新たに―
(12)熊剥ぎ被害をテープ巻きで予防
(13)歴史に学ぶ
(14)北海道現地研修会を顧みて
(15)早生樹の話―その1 中国の暖帯系ポプラ―
(16)伊勢神宮新穀感謝祭に参加して
(17)津波と海岸林
(18)吉野林業見聞記