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会長からのメッセージ(21)
観光資源としての木
 9月に北海道を旅行してきました。息子親子と同乗のため行き先は向こう任せです。北海道は隅々まで知っているつもりでしたが、おかげで私にとって初めての場所をいくつか知りました。私の北海道も古き良き北海道になったという思いでした。そうはいっても、学生時代から馴染みの旭川市神楽の外国樹種見本林だけは頑張って見てきました。
 私にとっての新知見のひとつは、有名観光地になっている美瑛町です。私の知っている美瑛町は旭川から東大北海道演習林に行く途中の無名の町でした。いまは丘陵地農業の風景が観光客を呼ぶようになっています。この丘陵地風景にさらに魅力を加えるのが木です。なだらかな丘の一角に立つ木の写真がかつて商品宣伝に使われ、これを地元の観光関係者が利用したのでしょうか。自動車とかタバコという知名度高い全国規模のコマーシャルに使われたことも幸いしたのでしょうが、単木を巡る観光バスの多さには驚きました。
 確かに選ばれた木は姿よく、それにもまして周囲の丘陵農地風景とよく調和した場所に立っています。これを商品宣伝に選んだ人に先ず敬意を表さねばなりませんが、地元観光関係者もよくやったと感心しました。観光客に最も人気のあるという木を眺めていると、どっと来た観光バスから下りてくる客人の言葉が中国語です。客人達は賑やかに喋り記念写真をとって戻ってゆきました。農地のかどかどに、農地に入らないようにという意味の中国語の立て札があったこともそれで納得しました。樹木や林が観光に果たす役割に思いを致した旅でした。


2005年9月 小林 富士雄



かつて日産スカイラインのCMに採用された「ケンとメリーの木」。


樹種は通称ポプラとされるセイヨウハコヤナギPopulus nigrava italicaであろう。
立札に大正12年植えたとある、孤立木のせいか根元で二又した木が夫々別の木のように生長している。



哲学の木」この木はCMと関係ないらしく観光客は見なかった。やや傾いているのがその名の由来だという。多分美瑛町観光関係者の命名であろう。


近よってみると堂々たるオークQuereus。多分カシワQ.dentataだろうが専門家に任せよう。


かつて観光タバコのパッケージにつかわれた「セブンスターの木」ここは観光客で賑わっている。


カシワQuereus dentata 昭和51年からCMにつかわれたというから50年以上になっているであろう。


観光樹木の周辺農地には「農地内に立入らないで」という中国語の立札が。


このような防風林も重要な風景だと思うが、なぜか孤立木に人気が高い。


旭川市神楽の外国樹種見本林は小説「氷点」の舞台として有名。昨年9月の台風18号で荒れ「氷点」ふるさとの森を復活させようという杭が立っている。


見本林のなかでいくつかは、植栽時のものが残っている。これはストローブマツPinus strobus



会長からのメッセージ  バックナンバー 
(1)会員あっての山林会
(2)木材輸入は水輸入
(3)これからの経営問題への取り組み
(4)現地研修会を顧みて
(5)大日本山林会第21回総会記念写真集
(6)木の神社
(7)岸本定吉先生を偲ぶ
(8)アメリカの森林問題と政治家と
(9)全国植樹祭と宮崎のスギ
(10)山林会平成16年度通常総会終わる
(11)ゆく半年、くる半年―山林会創立記念事業に思いを新たに―
(12)熊剥ぎ被害をテープ巻きで予防
(13)歴史に学ぶ
(14)北海道現地研修会を顧みて
(15)早生樹の話―その1 中国の暖帯系ポプラ―
(16)伊勢神宮新穀感謝祭に参加して
(17)津波と海岸林
(18)吉野林業見聞記
(19)旧閑谷学校の楷樹
(20)早生樹の話―その2 ベトナムのアカシア―