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会長からのメッセージ(27)
台湾現地研修旅行へのご案内
―その1 阿里山―


 「山林」7月号の裏表紙で公告しましたように、平成18年の現地研修会は「台湾の森林・林業視察」というテーマで行います。来年1月に大日本山林会が創立125年を迎えるので、創立記念特別企画の一部として行うものです。
 10月27日(金)から31日(火)4泊5日の限られた日程のなかで、かつて日本にも大量に輸入され、いまも皇居や明治神宮など多くの建造物に名残を留めている、台湾檜紅檜など貴重材の産地として日本の林業人にも馴染みの太平山、阿里山のほか、巨木が残る明池、棲蘭など森林地帯を巡るものです。この4地域は21ある台湾の国家森林公園のなかでも代表的なものです。国家森林公園の一部は、有料の「森林遊楽区」として林務局が管理しています。
 この回では阿里山を写真で紹介します。私は台湾に5回伺いましたがそのうち3回阿里山森林遊楽区を巡りました。魅力ある森林や風景ばかりでなくかつての日本の跡が残りしかも大切に保存されていることに感動します。


2006年7月 小林 富士雄



阿里山神木

阿里山森林公園のシンボル的存在であった阿里山神木(しんぼく)。1992年には40年ほどまえの落雷によりこのような状態であった。右側の生枝のように見えるのは天然下種による更新木。 阿里山神木の説明版には樹種ベニヒノキ、樹齢35m、胸高直径4.66m、樹齢約300年とある。 1997年に訪れた時は毅然とした姿で迎えてくれた。この姿に匹敵する神木にはその後もお目にかかったことはない。あとで聞くと、倒れる危険があるためこの2ヶ月後に伐倒された。

5年後の2002年に訪れた阿里山神木は、このような姿になっていた。倒れた勇者。

阿里山森林鉄道
阿里山森林に行く楽しみの一つは嘉義から阿里山まで72km、標高差約2000mを3時間かけてゆっくり登る森林鉄道である。これは嘉義駅。山にかかるとトンネルと橋が繰り返し現れ、スイッチバックや三重のループという見せ場もある。 木材運搬当時に使われていたシェイ型機関車の展示。 阿里山森林鉄道の敷設を指導した東京帝大農学部(森林利用学)教授琴山河合市太郎(したろう)博士の顕彰碑。琴山は博士の号。河合博士は明治中期から森林資源調査に入り、森林鉄道の完成は1911年(明治45年)、運転が開始されたのは大正の始め頃。

森林鉄道が敷設され森林開発が始まる頃最初に導入された蒸気集材機。5トンの材を曳く力があったという。

阿里山 日の出

森林、森林鉄道とならぶ阿里山の魅力の一つ、玉山連峰に上る日の出 観光客は早朝暗いうちに祝山に集まり日の出を待ち、曙光に歓声をあげる。 初日の出をを見るため客を運ぶため台湾林務局が建設した、阿里山から祝山の間を走る祝山森林鉄道。

阿里山森林遊楽区の巨木群歩道

根だけ残っている一代目(1万年)、二代目(3千年)、三代目(百年)の3世代が重なり寄生している「三代木」。 伐採した紅檜の上に4本が更新している「四姉妹」。 象鼻木。

曲がり木に入って遊ぶ子供。 紅檜の天然下種更新林。 紅檜のほか普通に見られる台湾杉Taiwania の巨木。このほか五葉松も普通種。

天然下種更新地ではこのような回廊を設けている。

阿里山森林公園内の建造物

貴賓館。日本時代には皇族などがの旅宿用に建てられ、蒋介石は何度か泊まったという。今は一般公開されている。 貴賓館内部の和室。中華風、洋風の部屋もある。 道教の受鎮宮。このほか慈雲寺という仏教寺院もある。

阿里山では最も高級とされる阿里山賓館の入り口。戦後台湾林務局が再建し最近まで林務局が管理していた。 阿里山賓館駐車場からの入り口。7階建てだが斜面地形をうまく利用し、景観を損ねないよう正面玄関は2階建てに見える設計になっている。 1997年4月末阿里山賓館の前庭には日本から導入した八重桜が満開だった。構内には古くから吉野桜が植えられている。

阿里山森林公園の内外

山麓から山腹にかけて檳椰(ビンロウ)が植えられている。ビンロウはヤシの仲間。 ビンロウの植栽林。ビンロウの種子はビンロウジという興奮剤の原料。 日本スギの造林地に栽培されているワサビ畑。

阿里山の高標高地一帯は有名なウーロン茶の栽培地。 姉妹潭。姉池・妹池の二つの高山湖のうちこれは姉池


会長からのメッセージ  バックナンバー 
(1)会員あっての山林会
(2)木材輸入は水輸入
(3)これからの経営問題への取り組み
(4)現地研修会を顧みて
(5)大日本山林会第21回総会記念写真集
(6)木の神社
(7)岸本定吉先生を偲ぶ
(8)アメリカの森林問題と政治家と
(9)全国植樹祭と宮崎のスギ
(10)山林会平成16年度通常総会終わる
(11)ゆく半年、くる半年―山林会創立記念事業に思いを新たに―
(12)熊剥ぎ被害をテープ巻きで予防
(13)歴史に学ぶ
(14)北海道現地研修会を顧みて
(15)早生樹の話―その1 中国の暖帯系ポプラ―
(16)伊勢神宮新穀感謝祭に参加して
(17)津波と海岸林
(18)吉野林業見聞記
(19)旧閑谷学校の楷樹
(20)早生樹の話―その2 ベトナムのアカシア―
(21)観光資源としての木
(22)岡山・鳥取現地研修会
(23)森林総合研究所の百周年記念行事に参加して
(24)ネパールに思うこと
(25)不法伐採問題の一断面
(26)西夏王国のこと