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会長からのメッセージ(5)
大日本山林会第21回総会記念写真集
 私の手許に表記の100ページ余の立派な写真集があります。これは愛知県鳳来町の金田康嗣氏宅に所蔵されていた原本を今年10月に復刻したものです。復刻版の発行人は丸山修、大橋五郎、鈴木雅雄、事務局担当金田康嗣とあります。
 第21回総会は明治43年5月名古屋市で開催されています。記念写真集の趣旨は、名古屋総会を機に「有志者相謀り」愛知県下の森林・林業・林産業の実況を広く知らせ、これに加え名古屋市鶴舞公園内に建設された府県連合共進会(勧業博覧会類似のものか)会場の一部を占めるの林産館に出品されている、各府県等の林業林産展示を撮影した写真から全国各地域の特徴を推察するためとあります。当時の林業人の旺盛な知識欲が察せられます。
 参考のため、当時の大日本山林会報によって第21回総会の模様をみると、5月14日愛知県会議事堂で総裁伏見宮貞愛親王殿下の「ご令詞」、有功章贈与、祝詞などがあって、あとは「演説」(講演、研究発表)が夕刻まで行われています。出席者は無慮2300余名とあります。明治末まで山林会が唯一の林業団体であったため、行政、民間、研究の関係者が一堂に会する総会は大盛況であったこと当然でありましょう。総会のあとは3日間かけて瀬戸、一宮、岡崎の視察旅行があり、もう1日はオプションとして共進会場、県有林・同苗畑、農林学校等視察となっています。
 この写真集には瀬戸市周辺の禿げ山・砂防植栽地ホフマン砂防工など当時の生々しい砂防の実態、県内の海岸林・各種風致林のほか、製材工場・車両工場・バイオリン製作所など当時勃興しつつあった林産業や、有名な白鳥や名古屋木材の貯木場など。これに府県連合共進会場の展示写真が30数枚あり、最後には、寄付を集めたのか旅館などの宣伝写真がのっているのがご愛敬です。
 私がこれを取り上げたのは、このような古い記録が各地にあれば教えて頂きたいと考えたからです。大日本山林会は付属林業文献センターに古い記録資料を蒐集整理しています。先輩たちの協力で蒐集された資料は林業界外部からも注目さるようになってきました。この写真集は一級の資料です。前号(会長からのメッセージ(4))に書いた愛知県下の現地研修旅行でも大いに参考になりました。この写真集とほぼ同じ場所も踏んだので、95年前の写真と並べその間の変化を考えるのも一興と思い、新旧写真をのせてみました。
 なお、写真集は今年の研修旅行の参加者には配布しましたが、希望者は下記あてに申し込めば実費3,500円で頒布するとのことです。

〒441−1634 
愛知県南設楽郡鳳来町長篠 鳳来町森林組合内  
金田康嗣様

                        2003年12月 小林富士雄



旧写真とほぼ同じ山林
現当主は丸山修氏



金田山林と現当主金田康嗣氏のご子息憲樹氏
旧写真の治平氏は曾祖父に当たる





旧写真に見られる右側のスギはなくなり、
建物も新しくなっている。

会長からのメッセージ  バックナンバー 
(1)会員あっての山林会
(2)木材輸入は水輸入
(3)これからの経営問題への取り組み
(4)現地研修会を顧みて