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調査・研究・提案



 当会では森林・林業に関する広範な課題について、斯界の専門家にお願いして調査・研究を行っています。以下は今までの成果の一部と現在取り組んでいる課題です。

○日本林業の展望((財)農林水産奨励会との共同研究)
 林業生産費の高騰、材価の低迷、相続税の問題など、経営意欲を喪失させる要因が幾重にも重なるなかで、こうした状況を打開するための一石として、また、混迷の中に経営の目標を見失いそうな人たちに何らかの指標を提示することを目標に取りまとめました。
「日本林業の展望(T)〜(W)」(農林水産叢書、(財)農林水産奨励会、1986〜88年)
※ いずれも非売品です。


○国産材加工流通問題((財)農林水産奨励会との共同研究)
 国産材自給率が30%を割ったなかで、外材に対抗しうる国産材の供給体制を整備し国内林業の復権をはかるべく、現地調査もふまえ現状と展望を取りまとめました。
「国産材加工流通問題を探る」(農林水産叢書、(財)農林水産奨励会、1992年)
「国産材加工流通の実態を探る(T)〜(V)」(農林水産叢書、(財)農林水産奨励会、1994〜99年)
※ いずれも非売品です。


○高校林業教育の充実を目指して
―高校林業教育の現状と新しい森林・林業基本計画制度下における課題― (2001〜2002年度)
趣旨
 実業高校の普通高校化など教育制度の変化に伴い、林業科を有する高校が全高校数の3%以下にまで減少するなかで、「ゆとりある教育」の名の下に林業教育の授業時間の圧縮や教育内容の大幅な削減が余儀なくされ、往時に比べて林業教育の水準は量・質ともに低下している現状にあります。
 一方で、新たな森林・林業基本法のもとで展開される森林・林業基本計画は、その立案主体が市町村長となりましたが、市町村の職員現況から考えて新たなシステムにどこまで適切に対応できるか、大いに問題の残るところです。
 このような現状から、高校林業教育現場における実務者の問題意識や改善要望、あるいは有為な人材確保を必要とする受入側の問題点を解明しつつ、持続可能な森林・林業の活性化に向けた人的資源の確保問題に対する、将来のあり方に対する提言を行うことを目的として取りまとめました。

「高校林業教育の充実を目指して」(農林水産叢書No.41、(財)農林水産奨励会、2003年)


○林業経営の将来に関する研究会
 平成13年、森林・林業基本法が改正され、法の「基本理念」として、(ア)森林の多面的機能を持続的に発揮させることが、国民生活及び経済の安定にとって欠かせない重要性を有していること、(イ)林業は、その機能の発揮に重要な役割を果たしているので、健全な発展が図られなければならないこと、(ウ)林業の健全な発展にとっては、林産物の適当な供給、利用の確保が重要であること等が明定されました。
 また、林業の健全な発展を図るには、(ア)林業担い手の確保、(イ)生産性向上の実現、(ウ)望ましい林業構造の確立等が必要であることも明定されています。
 林業の構造は、森林の造成、素材の生産及び流通、木材加工及び製品流通の全過程に関わるものですが、近年の林業停滞の基本的要因が零細な森林所有構造に関わっており、これが生産性向上を阻み森林所有者の林業離れを助長していると考えられます。
 本研究会は、この問題に視点を当て、森林の所有と経営を分離することの合理性と、望ましい経営形態の在り方を調査研究することを目的とするものです。
 調査を進めるにあたり、学識研究者および行政担当者等からなる委員会を設置し、平成15年度より4カ年にわたって委員会を開催します。

 中間報告として「林業経営の将来を考える―団地法人化の可能性を探る―」(農林水産叢書No.51、(財)農林水産奨励会、2006年)を取りまとめました。
※「農林水産叢書No.41およびNo.51は在庫がございますので、ご希望の方はメール、FAXにてお申し込み下さい。

 研究会の成果を『森林経営の新たな展開―団地法人経営の可能性を探る―』として刊行いたしました(詳しくは「新着情報」をご覧下さい)。


○森林・林業教本の作成に関する研究会
 「持続可能な開発のための教育(Education for Sustainable Development:ESD)」が、2002年の8月に日本のNGOと日本政府の共同提案の形で提案されて以来、世界各国で地域づくりと連動した活動が展開されています。特に近年は、地球温暖化問題等が政治的課題になるにつれて、ESDの重要な柱として森林・林業教育の重要性は一層高まりつつあるように思われると同時に、我が国の森林・林業の将来を考えると、林業界において今日ほどその充実が望まれる時代はないと考えられます。しかしながら、今日の現実をみると、森林・林業教育に関する理解や施策は、必ずしも十分とはいえず、実際、高校林業教育の分野では、縮小・再編が進行しつつあります。
 大日本山林会は、昭和49年に、国土緑化推進機構、日本緑化センターと共に、関係省庁並び国会に対して、初等・中等教育に関する要望書を提出いたしました。当時、指導要領の中で農業や水産業については明確な記載が見られるにもかかわらず、林業関連事項は抽象的な表現にとどまっていたからです。その後も、森林・林業に関する具体的な記載を求める活動を継続的に行ってきましたが、最新「小学校学習指導要領案」においても、農業、水産業、畜産物、水産物などの記述は見られますが、林業、林産物などの言葉は出てきません。
 他方、1994年の『森林教育のすすめ』(副題:21世紀の森林・林業をめざした人づくり・地域づくり)と題する森林・林業教育のための啓蒙書に象徴されるように、この間にボランティアの方々や地域の関係者を巻き込んだ新しいタイプの地域教育活動が展開されています。
 以上のような背景の下で、本研究会は、森林・林業教育を通じて、地域の「教育力」を高めることを究極のねらいとして、さしあたっては、小・中学校の社会・理科教育の資すること及び森林・林業に対する子どもたちの理解を深めることを目的に、初等・中等学校教育のための「森林・林業副読本の作成」を企画することにいたしました。

 本研究会の成果を2011年5月に『日本の森林と林業 小学校高学年のための教本』として取りまとめ、刊行いたしました(たいへん好評をいただき、現在、在庫切れとなっております。次年度に改訂・再版する予定にいたしておりますので、刊行が決定次第ホームページ等にてご案内させていただきます)。