2005年9月14日
小林 富士雄
9月に北海道を旅行してきました。息子親子と同乗のため行き先は向こう任せです。北海道は隅々まで知っているつもりでしたが、おかげで私にとって初めての場所をいくつか知りました。私の北海道も古き良き北海道になったという思いでした。そうはいっても、学生時代から馴染みの旭川市神楽の外国樹種見本林だけは頑張って見てきました。
私にとっての新知見のひとつは、有名観光地になっている美瑛町です。私の知っている美瑛町は旭川から東大北海道演習林に行く途中の無名の町でした。いまは丘陵地農業の風景が観光客を呼ぶようになっています。この丘陵地風景にさらに魅力を加えるのが木です。なだらかな丘の一角に立つ木の写真がかつて商品宣伝に使われ、これを地元の観光関係者が利用したのでしょうか。自動車とかタバコという知名度高い全国規模のコマーシャルに使われたことも幸いしたのでしょうが、単木を巡る観光バスの多さには驚きました。
確かに選ばれた木は姿よく、それにもまして周囲の丘陵農地風景とよく調和した場所に立っています。これを商品宣伝に選んだ人に先ず敬意を表さねばなりませんが、地元観光関係者もよくやったと感心しました。観光客に最も人気のあるという木を眺めていると、どっと来た観光バスから下りてくる客人の言葉が中国語です。客人達は賑やかに喋り記念写真をとって戻ってゆきました。農地のかどかどに、農地に入らないようにという意味の中国語の立て札があったこともそれで納得しました。樹木や林が観光に果たす役割に思いを致した旅でした。
2005年9月 小林 富士雄