平成20年度現地研修会報告(3)

2008年12月12日
大貫 仁人

(2日目)
 現地研修会2日目は、宿を8時に出発し、川上村の入り口大滝地区にある清光林業の山を2カ所見学しました。最初の山は、3代目の植林の70~130年生のスギ林40haの団地で、林道密度180~200m/haで平成19年に15%の間伐をした林でした。ここではスギ皮を生産し販売したとのこと。2つ目の山は250年生のヒノキ・スギ混交林で2ha、100本/ha、岡橋社長さんの代になって3回目の間伐を済ませた林であるとのこと。まさに、吉野林業の典型的な長伐期仕立ての優良材生産の現場であった。ここで集合写真を撮る。

  • 250年生のスギ・ヒノキ林での記念写真
    250年生のスギ・ヒノキ林での記念写真
  • 清光林業(株)の250年生のスギ・ヒノキ林
    清光林業(株)の250年生のスギ・ヒノキ林

 この現場で岡橋社長さんをはじめとした清光林業㈱の皆さんと別れ、常務理事の西本順蔵氏が待つ吉野林材振興協議会に向かう。
 国道169号線を吉野川沿いに下り、吉野町役場の対岸辺り、近鉄吉野線の吉野神宮駅の近辺に吉野林材振興センターがある。センターの脇に近鉄の高架橋が見えた。
 西本氏は先ず「吉野材センター」に案内してくれた。このセンターは、昭和48年に吉野杉・吉野桧の物流の拠点として設立されたもので、杉・檜の正角・造作材、つき板材、背板などを月1回の展示即売会により日本全国に向けて販売しているとのこと。吉野材の最大の特長である、芯が円心にあり曲がりが少なく年輪巾が細かく均一で、色艶が良い製材品の数々を見学することが出来た。他の市場では見られない逸品揃いとか。
 次に、吉野林材振興協議会の事務所がある吉野林材振興センター展示館に案内された。内部では、「八畳敷きの数奇屋造りの和室」がひときわ目を引く。この和室の床の間や天井廻り、柱、建具などには吉野材があますところなく使われており、その風格ある姿がそのまま立体的な展示物となっていた。また、玄関ホール横のショーウインドーには、杉で作られた茶箪笥や欄間、杉中杢の天井板、書院柱、吉野・宇陀地方で作られる書簡紙や画仙紙などが飾られている。さらに展示ホールでは、杉や桧で造った日用品、調度品などが展示販売されていた。

  • 吉野材センターの入口
    吉野材センターの入口
  • 説明される西本氏と出品材
    説明される西本氏と出品材
  • 出品材の一部
    出品材の一部
  • 吉野材の木取り法
    吉野材の木取り法
  • 吉野林材振興センター展示館の和室
    吉野林材振興センター展示館の和室
  • お土産を物色する参加者
    お土産を物色する参加者

 ここで、西本氏と別れ、一行は三重県松阪市木の郷町にある松阪木材コンビナートへ向かう。奈良県吉野町から県道28号線から国道370号線を経由して、針インターから名阪自動車道(国道25号線)に乗り、関ドライブインで昼食をとり、伊勢関ジャンクションから伊勢自動車道に乗り南下して松阪インターで降り、一路目的地に向かった。(報告(4)につづく)

平成20年12月 会長 大貫仁人