2003年8月1日
小林 富士雄
私は5年前副会長になって以来、「会員あっての山林会」という気持ちだけは失わずにきたつもりです。一昨年、会長に選ばれ、なんとか会員とのチャンネルを作りたいという思いで提案したのがこのホームページです。ホームページを開いてから一年経ちました。しかし、残念ながら会員からの直接の感想はごく僅かで寂しい限りでした。
ところが、今年5月の通常総会の出欠・委任状につけたコメント欄には、びっくりするほど多数の書き込みをいただきました。熱心な会員がこれだけおられるのだと感激し勇気づけられました。ひいおじいさんの代から続く会員だという方からの意見もありました。いま分厚い返信はがきを手にすると、まさに「会員あっての山林会」という思いを新たにします。
山林会への叱咤激励の多くは好意あふれるもので、とくに森林・林業の情報誌として環境・森林に関心を向けている市民読者も獲得するように、というありがたいご意見もありました。まだ十分といえない森林への公共投資は、広範な市民の理解と支援によってこそ道がひらけると思います。しかしながら市民におもねて、伐採からはじまる林業の本質的な性格を誤りなく伝えることを忘れないようにしなければなりません。また同時に林業側でも、今まで構造改革の努力が足りなかったことを反省する必要があると思います(この点はこの欄で改めて私見を述べます)。
『山林』誌への熱い期待は、厳しい林業経営の分析が足りないとか、山村社会の崩壊は極限に達しているというような表現とともに、日本林業の将来に対する明るい展望や論説が欲しいという意見が数多く寄せられました。このように一見違うような意見は、同じものが二通りの表現となったもので、本質をあぶり出すことにより、本質的な方策を考えようという主張と理解しました。
私からのメッセージの第1回はこれぐらいにとどめます。これからはあまり堅い話題ばかりでなく、写真などをとりいれたり、柔らかいものを心がけます。これに懲りず次回もご覧下さい。
2003年8月 小林 富士雄